Amazon Lumberyard クイックスタート #4 Terrain の作成
Amazon Lumberyard Quick Start
先日発表されたばかりの、 Amazon 製のゲーム開発ツール Amazon Lumberyard (以下、Lumberyard)。
本ブログでは、Amazon GameDev Tutorials で公開されている Quick Start Reference に沿って、Lumberyard に触れております。
- Level の作成
- カメラの位置の調整
- Lumberyard オブジェクト
- Terrain の作成 (今回)
- 光源の配置
- ゲーム・スクリプティング
今回は「Terrain の作成」です。
Terrain とは
第一回「Level の作成」でも(非常に簡単に)触れましたが、Terrain は 地形 のことです。Level に対して、複数の Terrain を配置したり、編集したりすることができます。
今回は、これまで作成してきた Level に地形を与えます。
Terrain の編集画面を開く
Terrain の配置及び編集には「Terrain Textures Layers Editor」と「Material Editor」の2つの画面を使います。Terrain をレイヤー構成で管理しつつ、Material (素材)を選んで Terrain のテクスチャーを作ります。
Terrain Textures Layers Editor
まずは「Terrain Textures Layers Editor」を表示しましょう。「Editor toolbar」 からアイコンをクリックする方法が一番簡単です。アイコン多いですが、デフォルトの配置で下段の右から7番目です。
「Terrain Textures Layers Editor」は、下図のような画面構成になっています。
- Layer Tasks : レイヤーの追加、削除、並び替え
- Layer Info : 選択中のレイヤーの情報を表示
- Layer Texture : 選択中のレイヤーのテクスチャーのスウォッチ
- Options : レイヤー一覧に関するオプション
Material Editor
次に「Material Editor」を表示しましょう。「Editor toolbar」 からアイコンをクリックする方法が一番簡単です。アイコン多いですが、デフォルトの配置で下段の左から5番目です。
「Material Editor」は、下図のような画面構成になっています。
- Editor toolbar : Material の反映、削除、保存、作成
- Material preview : 選択中の Material のプレビュー
- Material folder directory : 利用可能な Material 一覧
- Material properties and settings : Material のパラメータの定義
Terrain を配置する
今回は2つのレイヤーを Terrain に配置します。1つは「丘」などがあるレイヤー 、もう一つは「泥」を表現するレイヤーです。
「Terrain Textures Layers Editor」の「Layer Tasks」に表示されている「Add Layer」を2回クリックします。
2つのレイヤーが作成され、合計3つになりました。
レイヤー名は「NewLayer」となっていますが、ここをダブルクリックすると編集できます。1つ目を「grass」、2つ目を「dirt」としましょう。
2つのレイヤーにテクスチャーを与えていきます。まず「grass」をクリックして選択します。
選択した状態で、「Material Editor」を操作します。一覧から materials/gettingstartedmaterials/gs_grass_01
を選択します。
Material を選択した状態で、また「Terrain Textures Layers Editor」に戻ります。「Layer Tasks」の「Assign Material」をクリックします。こうすることで 選択中のレイヤーに選択中の Material が適用されます。
次は「dirt」を編集します。「dirt」をクリックし、「Material Editor」の一覧から、今度は materials/gettingstartedmaterials/gs_ground_01
を選択します。
この状態で、先ほどと同様に「Terrain Textures Layers Editor」に戻り「Layer Tasks」の「Assign Material」をクリックします。
ここまでの設定で、「Perspective Viewport」(3D の画面)の地面が市松模様から変わっていることが確認できると思います。クリーム色っぽいですが、真っ白な地面が光源によって変わって見えている状態です。
ここまででレイヤーの作成及び Material の適用は終わりです。「Terrain Textures Layers Editor」と「Material Editor」は閉じます。
レイヤーを塗る
次に、作成した2つのレイヤーを塗っていきます。
まずは「grass」を塗ります。「Rollup Bar」(右側の画面)の「Terrain」タブ(左から2番目)を選び、「Layer Painter」をクリックします。そして、一番下にあるレイヤー一覧から「grass」を選択します。この状態で「Color」をクリックします。
カラーパレットが表示されるので、次の設定にします。
- R : 145
- G : 180
- B : 75
カラーパレットを閉じ、「Flood」をクリックします。すると、大地が緑になります。
次に「dirt」を塗ります。今度は全体を塗るのではなく、ブラシでちょこちょこ塗っていきます。
レイヤーから「dirt」を選び、先ほどと同様の操作で「Color」をクリックしてカラーパレットを開きます。
「dirt」は、次の設定にします。
- R : 115
- G : 95
- B : 50
先ほどは「Flood」をクリックしましたが、これは全体を塗る場合なので今回は使いません。上部の「Brush Settings」でブラシの設定を行います。「Radius」を 2
に、「Hardness」を 0.5
にします。
この状態で「Perspective Viewport」の地面をクリックすると、色が塗れます。重ねていけば重ねていくほど濃くなります。
これで塗りの一通りの操作が終わりました。レイヤーを塗るには、塗りつぶすか徐々に塗っていくか、どちらかの方法を選択します。
Terrain の形状を変える
次に、Terrain の形状を変えてみましょう。今回は Terrain を膨らませることで「丘」を作ってみます。
形状の変更もブラシ形式、つまり Terrain をクリックして作っていきます。
ブラシの設定
ブラシの設定では、次のような項目を設定できます。
- Flatten: 地形を指定した高さに平らに変更する
- Smooth: 地形を滑らかに変更する
- Rise/Lower: ブラシのサイズに基づいて上げる/下げる
- Pick Height: 指定の位置の高さに基づいて変更する
- Outside Radius: ブラシの大きさ
- Inside Radius: ブラシの半径に対する丸み
- Hardness: ブラシの硬さ
- Height: 1クリックで変更する高さ
ノイズの設定
ノイズの設定も行えます。ノイズは、変更に対してどれほどのノイズ (揺らぎのようなもの) を入れるか設定できます。次のような項目を設定できます。
- Scale : ノイズ効果の強さ (大きいほど強いノイズが入る)
- Frequency : ノイズ効果を与える頻度 (大きいほど沢山のノイズが入る)
「丘」を作る
次の手順で、「丘」を作っていきましょう。「Rollup Bar」の「Terrain」タブが表示されている状態で、「Modify」をクリックします。
ブラシは次のように設定します。
- 「Rise/Lower」をクリックする
- 「Outside Radius」を
25
に設定する - 「Inside Radius」を
1
に設定する - 「Hardness」を
0.25
に設定する - 「Height」を
3
に設定する
設定が終わったら「Perspective Viewport」の Terrain をぽちぽちクリックしていきながら、気が済むまで丘を作っていきます。
ゴルフ場みたいになりました。
まとめ
今回は地面を膨らませましたが、もちろん凹ませたり坂を表現することも可能です。ちなみにゲームモードに切り替えて、キャラクターを丘の上に移動させると、もちろん滑っていきます。ぜひ試してみてください。
次回は「光源の配置」について解説します。